競馬をやって何が悪い。〜予想は敗因分析から〜

菊花賞の出走予定馬展望が中心!今週あの人気馬はなぜ負けたのか? ラップとレース映像をリンクさせた詳細な敗因分析から競馬の真髄に迫る。 敗因分析できれば次買うべき馬が解る。競馬予想は回顧から始まる。

関屋記念 2018 出走予定馬:ショウナンアンセム&田辺想定

time 2018/08/09

関屋記念 2018 出走予定馬:ショウナンアンセム&田辺想定

第53回 関屋記念(GIII)出走予定馬展望

日程:2018年8月12日()
コース:新潟芝外1600m

予想用・出走予定馬一覧

ショウナンアンセム(田辺想定)

今年は充実期、1000万下から準OP、そしてオープン特別を勝利し一気に台頭を果たしたショウナンアンセムが関屋記念に出走予定だ。どんな競馬もそつなくこなすが、やはりベストは緩い流れから鋭く出し抜くパターンだろう。持ち味の鋭い末脚を武器に強敵撃破となるか。

この馬の良いところは多少ペースが速くても脚を使えるし、スローならばトップスピードの質を高めてくる点にあると思う。そして力の要る馬場でそれを引き出せる。ジャンポケの仔というイメージよりも母父のクロフネのイメージなのかなと。前目でスローにコントロールできれば面白いんだけど今回は厄介な同型が多いからね…。その辺がカギ。

パラダイスS(OP)1着

東京芝1400m稍 10頭5枠5番
1:21.7 36.3-33.8 S^3
13.0-11.6-11.7-11.6-11.1-10.7-12.0

前走のパラダイスSから振り返る。稍重で当日の傾向を見ると標準馬場ぐらいで高速状態にはなかった。その中でペースが遅く2.5と超スローなのはあったにせよL2最速10.7は破格のラップといっていいだろう。

5番枠から好発、押して楽にハナを取り切りペースをドスローに支配する。道中も2番手以下を離して楽にドスロー、3~4角では馬なりで後ろの動きを待って直線。序盤でもまだ軽めに仕掛ける程度、L2の最速地点でしぶとく抜け出してここで勝負を決める3馬身半差ほど。L1でロードクエストがバテ差してきたもののほとんど問題とせず2馬身半差の完勝だった。

かなり強かったと思う。もちろん自分の理想のペースに引き込めたことが一番だが、ゲートが良く楽に主導権を握れたこと、要所の鋭さは屈指だったと思う。仕掛けを待ってL2の坂の上りで一気に伸びて10.7というのはこの時の馬場を考えると破格。映像的にみてもここで後続を楽に突き放しているのでおそらく速い脚を使っているな、というのがわかるレベルだったし違和感はないかな。

フリーウェイS(16下)2着

東京芝1400m良 18頭7枠13番
1:20.6 34.0-35.2 H^2
12.7-10.5-10.8-11.4-11.5-11.8-11.9

3走前のフリーウェイSで激しくロワアブソリューに完敗も2着は死守。ペースが速く1.2とかなりのハイ、そこからよどみなく進んで後半にかけては全て減速ラップとなっている。もちろん前2頭が単騎気味だったし、この馬自身の走破なら35.1-33.9なのでスローバランスだがパラダイスSほど極端ではない。

13番枠から五分には出たという程度、そこからある程度促すが前が速いので無理はせずに好位の外。3~4角で前2頭が離している状況で好位の外からそれを目標にじわっと動いていく形になって直線。序盤で2列目に並びかけ、L2の地点で先頭列に近いところ。L1で抜け出したかったが内から脚を残していたロワアブソリューに一気に来られて完敗の2着。

ここではある程度流れたのもあるんだが、3~4角である程度前との差を詰めていく必要があったので前走のパラダイスSほどには仕掛けを待てなかったと思う。このパターンは多分この馬にとってはあまり好ましくない印象。それでも一定レベルにはやれていると思うが、個人的には分散せずに直線序盤まで仕掛けを待って瞬間的な切れ味を引き出したいタイプなんじゃないかなと。流れても戦えるし一足は使えるのは魅力だけど、流石にトップクラスのマイラー相手では厳しいと思う。

多摩川ステークス(16下)1着

東京芝1600m重 9頭6枠6番
1:37.3 51.1-46.2 S^5
13.2-12.3-12.9-12.7-12.6-11.2-10.9-11.5

強かったのが2走前の多摩川S。断続的に雨が降っていて8Rの芝のレースの段階で既に標準ぐらいの馬場、高速馬場ではまずない、という状況。ただ雨が降っていたので騎手の意識も非常に弱くなって51.1とかなり遅いラップ。それでもこの馬場での最速ラップ10.9はやはり破格。力の要る馬場でのトップスピード特化戦。

6番枠からまずまずのスタート、二の足で楽にハナを取って主導権。道中もかなり雨が降っていたのでペースが上がらず、割と団子気味で3角に入ってくる。

3~4角でも馬場の良い外目を回しながら直線入りで仕掛ける。序盤で追い出されるが外のバティスティーニが食らいつく。それでもL2の坂の地点で最速ラップを踏むとここで体1つ以上抜け出し、L1まで後続を寄せ付けなかった。

バティスティーニが要所で鋭く反応したのかなという感じで、この馬も12.6-11.2とL4-3でかなりの加速度をこの馬場で引き出せている。違ったのはそこからもう一段L2最速10.9まで持って行ってここでトップスピードの質の違いを見せたところかな。力の要る馬場でこの脚を引き出せるというのがこの馬の武器だと思う。

2018関屋記念への展望

一応高速馬場でも速い上がりを使ってきている馬ではあるが、多分少し雨が降って渋った方がいいタイプだと思う。理由は2つあって、一つは力の要る馬場でも鋭さを削がれないので他と違いを作れること。もう一つは騎手の意識が下がることで序盤で楽に入りやすい。高速馬場だと3走前のフリーウェイSのようにペースを引き上げてくる基礎スピードタイプの逃げ先行馬にレースを作られて自分のリズムで入るのが少し難しくなる印象。この辺からもできれば雨が降って道悪表記になり、ある程度力の要る馬場の方がいいと思う。ただし、感覚的には1400はちょっと短くて前走のパラダイスSは雨でゆったり楽に主導権を取れたことが大きい。高速馬場でもマイルならもうちょっと楽に入れる可能性はある。それでも今回は同型が多いのでその辺りが最大のカギだろう。逃げにこだわる必要はないにせよ、要所での反応、L2での鋭さを引き出し一足で抜け出したい馬。関屋記念の傾向とはマッチする可能性が非常に高いが、他の馬より仕掛けを待ちたい。ウインガニオン辺りが速めに3~4角で仕掛けるような競馬になると微妙だし、今回は同タイプの逃げ先行馬の存在が厄介かなあ。楽に主導できればかなり強いんだけど、マイルでこのレベルでとなるとゲート・二の足が速い馬も増えてくるからね…。エイシンやウインより外枠を引いて閉じ込める形を取れれば面白い。トップスピードの質という明確な武器を持ったうえで総合的にもバランスがいい馬。妙味は十分あるしバランスが大事な馬だと思うので田辺騎乗想定も良いと思う。強く狙っても良い一頭だけどやっぱり少し渋ってほしいかな。

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“大魔神”の愛称でお馴染み!

≪GI馬主・佐々木主浩≫
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何悪。分析note2023



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