第25回 函館スプリントステークス(GIII)出走予定馬展望

日程：2018年6月17日(日)
コース：函館芝1200ｍ

予想用・出走予定馬一覧

ダイアナヘイロー（武豊）

馬柱５走を１着２度と二桁着順３度で占める、走ればモズアスコットを撃破し走らなければどこまでも沈むダイアナヘイローが武豊とのコンビ復活で函館スプリントステークスに出走予定だ。強い時は間違いなく強い競馬をしているのに、負ける時がもろ過ぎてなかなか狙いづらいところがあるが、その不安定さも父譲り。サマースプリントの開幕を告げる一戦、果たしてどちらに転ぶか？

この馬はキングヘイロー産駒なんだけど、キングヘイローの傾向とは逆に近い感じではある。自身もそうだったが産駒も冬馬が多い中でこの馬は夏に勝ち上がってきた馬だし、高速馬場の時計勝負で良さが出てきているというのもあって力の要る馬場はあまり得意とはしていない印象。洋芝がカギだが昨年のように最近は函館でも開催序盤は異常に軽いケースが多い。昨年ぐらい軽い状況なら条件的にはかなり面白いはず。あとは基本叩き良化型なので

阪急杯(GIII)１着

阪神芝内1400ｍ良 18頭７枠13番
1:20.1 34.2-34.6 M
12.3-10.7-11.2-11.3-11.4-11.2-12.0

まずは２走前の阪急杯から。武豊とのコンビでモズアスコットを撃破しているように高いパフォーマンスといっていいだろう（モズのベストはマイルっぽいのはあるが）。平均ペースで大きく緩めないもののＬ２最速でしっかりと一足を使ってきた形になる。

13番枠から好発を切って様子を見ながら２列目辺りにいて、そこからじわっとハナを主張して取り切る形を選択。うまく内に切り込んでペースコントロールし平均で３角へ。３～４角でも楽な手ごたえで仕掛けを待ちながら直線序盤で鞭が入って一足を使うが２列目も食らいつく。そこからしぶとく踏ん張って外のモズアスコット、レッドファルクスの追撃をクビ差凌ぎ切った。

高速馬場の1400でしっかりと基礎スピードを活かして前半である程度後続に脚を使わせることができたし、そこからこの馬自身はもう一段の加速ができて２列目も絡んできたものの外差し含めて最後まで前に出させない踏ん張りもあった。高い基礎スピードだけでなく後半要素も持っている馬なので単なるスプリンターではない、というところ。まあ最近は単なるスプリンターの方が減ってきているとは思っているが…。いずれにせよ相手を考えるとかなり強い競馬ができているわけで、走れば強いが逆に崩れると説明できないほどに下がってしまうのが難点。

高松宮記念(GI)18着

中京芝1200ｍ良 18頭５枠10番
1:09.9(+1.4) 33.3-35.2 H^2
12.0-10.3-11.0-11.4-11.5-12.3

前走の高松宮記念は松山とのコンビだったとはいえ大きく崩れた。良とはいえ少し時計が掛かっていてタフな馬場。その中でハイペースでラップ推移的にもよどみのない流れとなり一足を引き出す余力を持てなかったかなという感じはあると。

10番枠から好発を切るが内のセイウンコウセイが速いのでそれに対して競っていくような感じでハナを主張。それでも取り切れずに競り合う形で番手外から３～４角で少しずつ置かれ始めて直線。序盤ですぐに下がってしまってラストまで良いところなくの惨敗だった。

おそらくはオーバーペースだろう。この手のタイプに多い印象なんだけど、基礎スピードは高いレベルで持っているんだけど、それがゆえに強気の競馬をしすぎて馬場とかみ合わずにオーバーペースになってしまう。ハイペースでも少し息を入れれば一足を使えるタイプではあるんだが、力の要る馬場でこの流れにまともに乗ってしまっては対応しきれなかったという感じ。そうなると甘くなりやすい。

北九州記念(GIII)１着

小倉芝1200ｍ良 13頭５枠９番
1:07.5 32.8-34.7 H^2
11.7-10.0-11.1-11.5-11.2-12.0

実際５走前の北九州記念ではハイペースだからといって崩れているわけではない。ペースも1.9でかなりのハイは高松宮記念と奇しくも同じバランス。絶対的には32.8とこちらの方が速いし馬場も違うが、そこから息を入れてＬ３－２で11.5-11.2と加速する脚を要求されたことで良さが出たかなというのは感じるところ。

９番枠からまずまずのスタート、そのままある程度促すが無理はせずに２列目の外でという形ですすめていく。３角過ぎで少しペースが落ちたのでここで活きを入れながら４角出口で加速、という流れで追い出されてしぶとく直線食らいつく。Ｌ１でしっかりと抜け出し後続を振り切った。

タイプ的に多分ソルヴェイグと近くて、基礎スピード特化ではしんどいが、ハイペースの中で一足を使える。ただスローで決め手勝負では末脚の絶対量が足りないタイプ。仕掛けが遅い方がいいタイプで、かつ少し息が入った方がいいタイプ、ということからも高速馬場の1200～1400である程度流れて良さが出ているのかなという感じはある。実際皆生特別以降の勝ちは全てＬ２最速戦だからね。要所で少し加速が問われたほうがいいタイプなのは間違いないと思う。

2018函館スプリントステークスへの展望

基本的には条件は良い。ハイペースになりやすいが上がり切らずに３角付近で少し息が入ってＬ２最速になりやすいレースの傾向。これはこの馬にとってはプラスに働く可能性が高い。洋芝適性は不安があるが、正直昨年ぐらい軽い馬場なら洋芝どうこうというのを心配しなくても良いかな。土曜の馬場を見て判断したいが、力の要る馬場よりは軽い馬場の方がこの馬は結果が出ているので昨年ほど超高速馬場にはならないまでも、できれば７秒台半ばぐらいは出てくれれば楽かな。そのうえであとは状態面と相手関係。正直ナックビーナスやキングハート、衰えたセイウンコウセイレベルが相手なら走れば勝てると思っているんだけどね。あとは休み明けがどうかというところで、基本叩き良化のイメージだし宮記念の反動があることも考えるとそっちの方が心配かなという感じ。まあレースの傾向的には間違いなく良いと思うので、とにかく自身の状態面と馬場かな。その辺がかみ合えば力は上だと思っているが。

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